■ペットと愉しく暮らす家《犬編》
《ワンだふるな毎日を・・・♪犬と愉しく暮らす家》

犬は飼い主さんと同じ「家族の一員」です。だからこそ、新築住宅を考える際には「人だけが暮らしやすい家」ではなく、「犬も安心・快適に暮らせる環境」が備わった家であることが大切です。具体的には、動きやすさ(運動・自由度)、安全性(滑り・段差・脱走防止)、清潔・メンテナンス性(掃除・臭い・キズ)、人と犬が気持ちよく過ごせる工夫(専用の居場所・外とのつながり)の4つの要素に配慮することで、「犬を飼っていて良かった」「この家なら犬と暮らしていける」と感じてもらえる住まいになります。
建築工房わたなべでは、これらを設計段階からお客様と一緒に意識して、プランに落とし込んでいこうと考えています。
【目次】
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犬と暮らす家づくりが重要な理由
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犬にとって「動きやすい」空間をつくる工夫
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犬にとって「安全・安心」な住まいのポイント
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犬と暮らすからこそ気をつけたい「清潔・メンテナンス」面
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犬も人も快適に過ごすための「居場所・生活動線」の工夫
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外まわり・庭・散歩導線も視野に入れて
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まとめ(再)– 新築時に押さえておきたいチェックリスト
1.犬と暮らす家づくりが重要な理由
近年、犬を室内で飼い、家族と一緒に過ごすご家庭が増えています。例えば、「室内飼育率が約8割」とのデータもあります。
室内で暮らす犬にとって、床が滑りやすかったり、段差が多かったり、動き回れない間取りだったりすると、ケガやストレスの原因になりかねません。
また、飼い主さん側から見ても、犬の足跡・抜け毛・臭い・粗相などの対応を考える必要が出てきます。
家づくりの早い段階で「犬が暮らしやすい家」について考えておくことで、後から「どうしてこれを考えておかなかったのか」といった後悔を少なくできます。「犬と暮らすこと」を前提にした”ワンだふるな毎日を過ごせる家づくり”の提案が出来たらと思います。
2.犬にとって「動きやすい」空間をつくる工夫
犬は運動が好きですし、行動範囲が限られるとストレスを感じることがあります。例えば、「家の中を自由に動ける回遊動線(ドアを閉めずに回れる廊下やリビング)」「リビングと庭・デッキをつなげる窓や出入口」などの設計が効果的です。
また、犬種や年齢・性格によって必要な動きやすさは違います。活発な大型犬なら庭で走り回れるスペースがあれば理想的ですし、小型犬・高齢犬なら、段差の少ない緩やかな設計が望ましいです。
【ポイントを整理すると以下の通りです】
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リビングや廊下を遮るものが少ない開放的な動線にする
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庭・ウッドデッキ・中庭をつくり、外と家の中の出入りをスムーズにする
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犬専用のスペース(遊べる場所・くつろげる場所)を設ける
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年齢や犬種に配慮して、段差や傾斜・階段の角度などに注意する

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私たちがお客様に提案する際には、「どの犬を飼っているか?・何頭いるか?年齢・性格はどうか?」などをヒアリングし、それに応じて動線・面積・素材などをプランに反映できたらと思います。
3.犬にとって「安全・安心」な住まいのポイント
犬が安心して暮らせる家をつくるには、安全面・安心面も重要です。
床が滑ってしまえば脚を痛めたり、階段の上り下りが多いと負担がかかることもあります。壁や床に引っかき傷が付くのも悩みの一つです。
【主な配慮ポイントは次の通りです】
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滑りにくい床材:犬の爪や歩き方を想定して、滑りやすくない床(強化フローリング、クッション性のある素材など)を検討。
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段差を少なく/スロープ設置:特に年齢を重ねた犬なら、急な階段や段差は苦手。緩やかな傾斜やスロープ、昇り降りが楽な設計に。
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脱走・転落防止:庭・窓・ドア周りのフェンス・柵・鍵など、犬が外へ飛び出さない・窓から落ちないような配慮。
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人と犬それぞれのエリアを明確に:キッチンなど犬にとって危ない場所にアクセスさせないためのフェンスや仕切り、扉のストッパーなど。
設計段階で「犬の視点」も取り込んだ安全設計をお客様と一緒に考えていきたいと思っております。
4.犬と暮らすからこそ気をつけたい「清潔・メンテナンス」面
犬と暮らす家では、「掃除」や「臭い」「キズ」「汚れ」が、より日常的な課題になります。これらを建築仕様や素材選びであらかじめ対応しておくと、快適さがぐっと向上します。
【主なポイント】
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引っかき傷・汚れに強い素材:床・壁・扉など、犬の爪や動きによる引っかき傷・汚れに配慮した素材(強化フローリング、撥水・防汚壁紙など)。
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掃除のしやすさ:抜け毛・泥足・足拭きがしやすい導線。玄関やドッグランからリビングへ直結する動線を設ける。洗面所に犬用の洗い場や足洗いスペースを設けることも有効。
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トイレ・臭い対策:犬のトイレを設置する場所や、臭いや湿気の逃げやすい換気設計。また、近くに収納スペースや掃除用品置き場を設ける。
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メンテナンス性の高い設計:汚れた箇所だけ取り換えられる床材や、仕切りを変えやすいレイアウトを検討。後々のリフォーム負担を減らす。
5.犬も人も快適に過ごすための「居場所・生活動線」の工夫
犬と人がともに暮らす家では、「居場所の共有」と「個別の居場所」があるとより心地よく暮らせます。犬が安心してくつろげる“自分の場所”と、飼い主さんと一緒に過ごせる“居場所”をバランスよく設けることが大切です。
【設計上の考え方として】
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人も犬も居るリビングに近い犬のスペース:犬は家族の近くに居たい場合が多く、リビングの隣・一角を犬用スペースにすることで安心感を生みます。
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犬専用のくつろぎスペース:少し静かな部屋やコーナーを設け、犬がひとりで休める場所をつくることで、無駄吠え・落ち着かなさの予防になります。
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外を見られる窓・視界の確保:犬は外の景色を気にすることがあります。低めの位置に窓を設け、外を眺められるようにすると快適です。
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飼い主さんの生活動線との兼ね合い:散歩準備、帰宅直後の足洗い、トイレ掃除、収納の動線など、飼い主さんの日常を快適にする動線設計も重要です。例えば玄関からトイレ・足洗い・ドッグラン・リビングへの流れ。
お客様が「どんなライフスタイルで犬と暮らしたいか」、「どこで犬が遊び、どこで休み、どこで手入れをするか」を間取りの中で可視化して提案していこうと考えます。
お世話がもっと好きになる、ケアコ-ナ-づくりの工夫

安心して快適に過ごすための行動の自由と制限の工夫

ワンちゃん専用の洗い場。
お世話が楽しくなる空間を作れば、一緒にすごく時間が今まで以上に楽しくなります
6. 外まわり・庭・散歩導線も視野に入れて
室内だけでなく、家の「外まわり」や「お散歩動線」も、犬と暮らす家にとって大きなポイントです。屋外スペースを有効活用できれば、犬も更に満足度の高い暮らしができます。
【チェックポイントとしては】
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ドッグラン的な庭または中庭:リードなしでも遊べるスペースを庭や屋上に設けることで、運動不足やストレスを軽減できます。地面素材(人工芝・ウッドチップ等)にも配慮。
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足洗い場・外シャワー設置:散歩から戻ったとき、庭で遊んだ後にすぐ足を洗える場所を玄関や庭との出入り口に設けると便利です。
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フェンス・敷地境界の安全対策:犬が外へ飛び出さないようにフェンス・門扉を犬の視点・飼い主の視点から設計。道路に面している敷地なら尚更。
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散歩への出発・帰宅の動線設計:リードやおもちゃ・キャリーケースなどを置くスペース・動線を玄関近くに設けておくと、毎日の散歩準備もスムーズになります。
お客様の敷地条件・ライフスタイル(散歩頻度、庭の有無、犬種・頭数)を伺い、「外まわり+住まい内部の動線」をセットで検討できる提案をしていこうと思います。
ドアハンドルをこんなキュ-な物に変えるだけでペットとの暮らしが楽しくなります。

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クロスの上から塗るだけで、ニオイを吸着・分解する「漆喰」です。
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ベ-スのユニットを並べ、自由なレイアウトが可能なタタミボックス収納。
7.まとめ
最後に、「犬と暮らす家」を新築する際に押さえておきたいポイントをチェックリスト形式で整理します。
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□犬の頭数・犬種(小型犬/大型犬)、年齢、性格をリストアップする
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□犬が動き回れる「回遊動線」「リビング~庭・ウッドデッキ」の出入口を検討する
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□床材は滑りにくく、引っかき傷・汚れに強い素材を選定する
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□階段・段差は犬に負担をかけない設計にする(スロープ・緩やか・手すりなど)
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□犬専用のくつろぎスペース+人と一緒に過ごすスペースを明確にする
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□窓や外の見える景色、視線・換気、犬の居場所からの眺めを配慮する
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□玄関・庭・ドッグラン・散歩準備スペースを繋ぐ動線を検討する
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□足洗い場・外シャワー・トイレスペース・収納(おもちゃ・リード・フード)を適切に配置する
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□敷地境界・フェンス・出入口を犬の安全視点で設計する
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□掃除・メンテナンス・臭い対策を住宅仕様・素材選びで検討する
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□将来(犬の高齢化・頭数の増減)も考えた可変性・柔軟性を持たせる
