2012年5月:【家庭での省エネ『冷蔵庫編』】

 国内で1基だけ稼働していた北海道泊原発3号機が5日、定期点検のため運転を停止しました。これで国内の原発50基すべてが止まりました。このままでは今年の夏の電力需要は綱渡りであるとの報道も多く見受けられます。原発の是非についてはいろいろな意見があり、発電の方法を議論する事も大切ですが、その前に家庭での電力消費量を減らす工夫をしてみましょう。

■電力消費四天王

 資源エネルギー庁の資料によりますと、家庭での年間電力消費の四天王はエアコン(25.2%)、冷蔵庫(16.1%)、照明(16.1%)、テレビ(9.9%)となっています。今月号の「ひげ日記」ではこの四天王の内、「冷蔵庫」について考えてみたいと思います。

 家電の中でワット数が最も大きいものは電子レンジやホットプレートですが、使用時間が短いため年間電力消費量はそれほど多くありません。逆に冷蔵庫のワット数はそれほど大きくないものの使用時間が長いために年間電力消費量は非常に多くなっています。もしあなたの家の冷蔵庫が10年以上前のものなら、最新型に買い換えるだけで消費電力量を毎月確実に大幅に削減できます。

■年間2万円以上の節約

 例えば、1994年頃の400Lタイプの冷蔵庫の場合、年間1175kWh位の電力消費量がありました。それが現在の最新のものの場合は年間約220kWh程度の電力消費量となっています。なんと電力消費量は1/5以下になっているのです。

 また1kWhあたり22円として計算すると年間の電気代の差はなんと21,010円です。現在の冷蔵庫の価格を考えるとおおよそ6~7年で元が取れる計算になります。電気料金の値上げが叫ばれていますが、値上げがあれば更に短い期間で元も取れ、そして節電もできるのです。

■使い方と設置場所も大切

 買い替えをしない場合でも使い方や設置場所による工夫でも省エネ効果があります。

【設置場所】
 周囲に適当な隙間をあけることが大切です。庫内の熱を放散しやすいように左右と上部に適当な隙間が必要です。また直射日光の当たるところやガスコンロの近くなども効率が悪くなるので設置場所を検討しましょう。

【設定温度】
 冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」に変更するだけで年間約1,360円程度電気代を節約できます。

【詰め込み過ぎに注意】
 食品の詰め込み過ぎは消費電力量の増加につながります。庫内いっぱいに詰め込んだ場合に比べて中を半分にした場合は年間約960円の電気代を節約できます。

 その他、「扉の開閉を手早くする」だけでもかなり節電できますし、「熱い物はさましてから入れる」ことも大切です。
 また冷蔵庫の扉についているパッキンもとても重要です。冷蔵庫とパッキンの間に名刺などを挟んで、もしもずり落ちるようなら冷気が逃げていますので扉のパッキンを交換しましょう。

 最後に、以前も紹介させていただいたものですが、再度紹介させていただきます。省エネ製品買い替えナビゲーション「しんきゅうさん」のホームページです。このサイトでは照明器具・エアコン・テレビ・冷蔵庫・温水洗浄便座を買い換えるとどの位省エネになるかがわかります。さらにそれぞれの商品の選び方や賢い使い方まで丁寧に説明してありますので是非一度ご覧ください。

「しんきゅうさん」はこちら→http://shinkyusan.com

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皆さん、これから訪れる夏に向けて無理をしない節電を考えましょう。それでは、また来月お会いしましょう。

㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏