2007年9月:【断熱リフォ-ムのすすめ】

この夏、私は築13年の自宅を断熱リフォームしました。予算の関係で寝室とLDKだけです。
最上階にある寝室の断熱リフォームは、小屋裏にもともと入れてあった、厚さ50mmのグラスウールの上に厚さ100mmのグラスウールを重ねて敷き込むというシンプルな方法で行いました。たったこれだけの工事ですが、効果はてきめんでした。夏の屋根面の温度は60~70℃にもなります。断熱性能の低かった頃のわが家は、夜になってもその輻射熱で暑く、エアコンを切ったとたんに、むっとする暑さを感じました。それがリフォーム後は確実に涼しくなりました。断熱リフォームに懐疑的だった女房も「涼しい~」って言って喜んでいます。ここだけでももっと早くやればよかった、と後悔しているくらいです。屋根裏はとても暑くなるので、その部分の断熱性能を上げるこの方法はとてもおすすめです。

 次に使用頻度のもっとも多いLDKの断熱リフォームについてです。
LDKの壁・天井を室内側からめくり、元々入れてあった厚さ50mmのグラスウール断熱材を撤去しました。次に発泡ウレタンフォームという断熱材を壁75mm、天井155mmの厚さで吹きつけました。さらに、LDK西面窓の外側に熱線を70%カットできるという外付けの日射遮蔽用のロールスクリーンを取り付けました。熱線はカットするのですが、スクリーンは網目状になっているので光や風は入ってきます。南面の日射遮蔽は水平方向に突き出した、庇等でできますが、太陽高度の低い東や西面は、垂直にさえぎる『すだれ』状のものでないと日射遮蔽ができないのです。異音のしていたエアコンも最新の省エネタイプのものに取り替えました。LDKは21畳あるのですが、壁や天井の断熱性能を高めたので、16畳用のもので十分と判断しました。実際、わたしは大変な汗かきですが、先日の記録的な猛暑の日でも何の問題もありませんでした。シーリングファン(天井扇)も最新のDCモータータイプの静かで消費電力の少ないものに取替えました。シーリングファンで空気を動かすだけで、夏の体感温度は確実に下がります。

 今回は紙面の関係で詳細は割愛させていただきますが、興味のある方は、わたしが書いているインターネットのBLOG 『住宅屋の気持ち』 で詳しく説明していますので、是非そちらをご覧ください。アドレスはこの新聞の最終ページに記載してあります。
リフォーム前の状態と比較すると、エアコンのスイッチを入れる日が非常に少なくなりました。高性能な断熱の施工を行いましたので、室内側の壁面や天井面の表面温度が下がったからです。エアコンの温度設定が28℃でも十分涼しく感じます。その涼しさ快適さはリフォーム後、確実に体感できます。LDKも寝室も本当に劇的に涼しくなりました。建物の断熱性能を上げれば、暖房や冷房にかかっている電気代等も大幅に削減できます。 リフォーム工事を行うというと、キッチンなどの設備機器を新しくしたり、壁を塗り替えたり、部屋の間取り変更を行うなどのリフォームだけを検討する方が多いと思います。そうしたリフォームを検討するときに、あわせて断熱リフォームも検討されては如何でしょうか?東海地震も叫ばれていますので、建物の耐震性能が不安な方は、耐震リフォームも大切だと思います。

  愛着のある我が家を、住まい方の工夫だけでは解決できないところは、最新の耐震や断熱その他の技術でリフォームして、快適にそして安全に生活できるようにする。その上で長く大切に住み続けることは、とても素敵なそして大切な事だと思います。 建築工房わたなべでは、新築工事だけではなく、こうした各種リフォームのご提案も積極的に行っております。お気軽にお問い合わせください。