2011年12月:【LEDって本当にエコ?】

皆さんこんにちは、渡邉です。 今年も残すところあとわずかとなってしまいました。東日本大震災や静岡東部地震、大型台風など今年は自然災害の多い一年でしたが、残りの約一ヶ月間、精一杯頑張りたいと思います。

 さて、東日本大震災以降、LED電球の売れ行きが急上昇となっています。皆さんのお宅でも白熱灯や蛍光灯の電球をLEDに買い換えた方も多いのではないでしょうか。弊社事務所でも、打ち合わせコ-ナ-のハロゲン電球をLED電球に取替えました。

 LED電球は金額的には少し高いけど、長寿命で、消費電力が少ないのでエコで電気代も安くなるって思ってますよね。そんなブ-ムに乗った形でこの夏以降の照明器具カタログはLED器具のオンパレ-ドです。最近ではLEDのシ-リングライト(天井に直付けする全般照明向きの照明器具)も続々と発売されました。カタログでは電力消費量の少なさと、寿命の長さをうたってアピ-ルしています。

 でもLEDシ-リングライトにはあまり知られていない欠点があると思っています。皆さんは昨日まで点灯していた照明器具が突然点灯しなくなった時、あれっ電球が切れたのかな?って考えますよね。そして、家電量販店等に出向いて電球を買って来て取り替えてみる。そんな感じですよね。ところがLEDシ-リングライトの場合はそうはいかないのです。

 なぜなら電球の交換が出来ないからです。ご存知でしたか?LED型シ-リングライトが点灯しなくなった場合は、照明器具ごと交換するか、メ-カ-に修理依頼をしなくてはならないのです。

 メ-カ-のカタログには、面倒なランプ交換も必要なく、メンテナンスがラクと記載されています。なんと見事な表現だとは思いませんか?さらによく読むと下の方に小さな字で、故障時には修理が必要になりますって書いてあるのです。

 LED照明器具は長寿命を詠っていますが、点灯不良の保証は蛍光灯の器具でもLED器具でも同じ3年(私の知る限りのメ-カ-の場合)です。LEDシ-リングライトは現在、安いものでも6万円位します。長寿命を詠っているのに一般の器具と同じ3年保証ってどういうことなのでしょう。長寿命タイプ蛍光灯の場合、電球寿命は約20,000時間程度です。

 LED電球の40,000時間に比べると寿命は半分ですが、手軽に電球の交換も出来ますし、器具の種類も多く価格もLEDタイプに比べて比較的安いと思います。例えば照明器具を弊社でご購入いただいて3年で点かなくなったとします。そんな時お客様に「LEDですので電球交換できません。買い替えもしくはメ-カ-の人を呼ぶしかありません。」なんて言えません。

 メ-カ-がLED器具の保証期間を延ばすか、球の交換が出来るようになってからシ-リングタイプのLEDはお客様にお勧めしようと考えています。電球交換も出来ない器具って本当にエコなんでしょうか?器具を製造する時だってCO2を排出していますし、なにより器具ごと交換なんてもったいないって思います。

そんな訳で弊社では、メインの照明器具(シ-リングライト等)は蛍光灯。ダウンライト(埋め込み型の照明器具)やスポットライトなど電球やユニットの交換が可能な器具の場合は適材適所でLEDの照明器具をお勧めしているのです。

 皆さん、本年も一年間大変お世話になりました。本当に有難うございました。 今後共、「建築工房わたなべ」をよろしくお願い致します。
それではまた来年。

 
㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏