2017年4月:【蛍光灯からLEDへの取替えで火災発生】

普及が進んでいるLED照明で火災が相次いでいます。

日本照明工業会によりますと、昨年の7月、8月に3件の火災が発生。いずれの場合も直管形の蛍光灯で使われている「G13」タイプの口金(くちがね)の直管形LEDランプが取り付けられていたそうです。

火災の主な原因は、蛍光灯用照明器具の点灯方式と直管形LEDランプの種別が適合していなかったことだそうです。
ちょっと怖い話ですね。そこで今月号の「ひげ日記」は、LEDランプを選ぶ時の主な注意点です。

■一番注意してほしい直管型LEDランプ

 蛍光灯照明器具は点灯方式の違いで「スタータ形(グロ-スタ-タ形)」、「ラピッドスタ-ト形」、「インバ-タ形(電子式)」3つの点灯方式があります。

蛍光灯照明器具に方式の違うものを取り付けた場合、蛍光灯では出火の危険性は無いが、直管LEDランプでは過剰な電流が流れ、最悪の場合火災が起きるという。こうした事故が起きやすいのは、さまざまな種類の直管LEDランプが販売され、口金形状や長さなど、従来の蛍光灯と構造的に互換性があること。そして器具の外見からは点灯方式がわからないことです。

点灯方式を判別するには、天井に取り付けられた既設器具の銘板を判読する必要があります。

実際、今回の火災のなかにも、既設の蛍光灯がラピッドスタート形だったので、照明器具もラピッドスタート形だと早合点し、誤使用につながった事例もありました。環形LEDランプの場合も蛍光灯照明器具に取り付ける場合には、点灯方式を合わせる必要があります。
蛍光灯からLEDランプに交換の場合が最も注意が必要です。

■LEDランプの選び方

1)まずは口金(くちがね)
 口金とは電球をソケットに差し込む金具の部分の名称で、一般的には「E+数字」で表されます。

照明用電球の多くは「E26」もしくは「E17」というものです。26とか17は口金の直径で26は口金の直径が26mmということです。

2)調光機能付の照明器具
 壁のスイッチに照明を明るくしたり暗くしたりする調光スイッチが付いている場合は、多くのLED電球は使えません。「調光器対応」を選んでください。

3)密閉型の照明器具
 浴室の照明器具などのように、照明器具をカバーで覆っている密閉形照明器具の場合も要注意です。密閉型は普通の器具より熱がこもるので必ず対応製品を選んでください。

4)ダウンライト
 廊下の照明器具に多いダウンライトは、器具自体が断熱材で覆われるようになっている「断熱材施工器具」が多くあります。この場合も断熱材がLED電球の放熱の妨げになってしまうので、専用のLED電球を選びましょう。器具にSB、SG、SGI、いずれかのシールが貼ってある場合はその器具は断熱材施工器具です。

5)センサー付き照明器具
 人感センサー、明るさセンサー、遅れスイッチなどが付いた器具は適合したタイプのLED電球(調光機能対応や自動点滅機能付きなど)を選んでください。

6)その他
 明るさ(lm:ルーメンであらわします。)や光色(電球色:温かみのあるオレンジ色、昼白色:白っぽい光の色、昼光色:自然光のような色)、平均演色評価数(自然の色に見えるかどうかの評価)、光の広がり方なども大切です。

■まとめ

 LED電球は従来の電球と同じ口金に装着でき、消費電力を大きく削減できます。

 例えば、白熱電球60W型に相当する明るさのLED電球の消費電力は10W程度。白熱電球から交換すれば消費電力を80%以上削減できます。
LED電球の導入はそれほど難しいものではありません。この機会に正しい知識で安全にLED電球に取り替えてみてはいかがでしょう。

 わからない事がありましたら、気軽に弊社までお問い合わせ下さい。

それではまた来月お会いしましょう。

㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏