2009年4月:【緑の循環】

皆さんは、存じですか?京都議定書での日本のCO2排出量の削減目標は、1990年比6%ですが、この6%という数字を産業や暮らしの省エネ対策だけで達成するのは難しいということを…。そのうち約2/3(3.9%)は森林の力に頼る予定だということを…。森林の樹木はその成長過程において多くのCO2を吸収し、酸素を供給しています。その力を利用するという計算なのです。
弊社では、構造は環境負荷の小さい木造+自立循環型住宅の設計手法によりエコハウスを設計してきました。自立循環型住宅とは、言うまでもなく、我慢して省エネな住宅などではなく、住宅の断熱性能や気密性能を高め、立地条件と住まい方を検討し、極力自然エネルギ-を活用した上で最適な設備機器等を選択するとても優れた設計手法です。
しかし、それだけでは足りないのです。今後は、更に建てるときの木材の選定でも、違法伐採などで自然を破壊しているかもしれない樹木を使うのではなく、適切に管理された森の木を積極的に採用し、更なるCO2排出量削減に貢献しようと考えています。そうした取り組みのため、このたび弊社では『緑の循環』認証会議(以下SGEC)から認証林産物取扱認定事業体の認定を受けました。国際的な基準により持続可能な森林経営をおこなっていると認められ森林認証を受けた森林。そこから搬出された認証材原木→製材・加工工場→プレカット工場→弊社現場へ。そして最終的にお客様に引き渡されるという仕組みをつくりました。
大切なのは、この過程で認証材とその他の材が混ざったりしないように厳格に管理される必要があるということです。その流通や管理の仕組みを含め、認定を受けたということなのです。こうしてできあがった住宅には証明書番号の記載された、SGEC認証材使用建築物証明書が発行されます。そしてまた、認証材を積極的に使うことにより、森では植林→伐採→木材活用→植林というサイクルが生まれます。森をまもり、それによって得られる効果は、省CO2だけではなく、水土保全、大気浄化などさまざまあります。
皆さんは、森林認証を受けた森の木というと無垢材を想像するかもしれませんが、無垢材はもちろん集成材もあります。たとえば、重量木骨の家(SE構法)でも国産材の森林認証材(集成材)の利用は可能です。ただし、現在の国産材の強度等を考えますと、輸入材に頼らなくてはならないところもあります。耐震性能にこだわる弊社としましては、集成材と無垢材、国産材と輸入材を適材適所で使い分け、今後は性能等を見極めながら徐々に国産材にシフトして行きたいと考えているところです。弊社では、今後も『地震に強く住む人と地球にやさしい家づくり』~快適で省エネのできるエコハウス~を更にバ-ジョンアップさせて行きます。
時代は、環境をキ-ワ-ドにすごい早さで動いています。住宅業界でもやっと、そうした動きが始まりました。太陽光発電、太陽熱利用、高気密高断熱、高効率機器、国産材利用、地産地消などの省CO2をキ-ワ-ドとした、各種政策も整備され始めています。弊社は、そうした行政の動きにも注意を払い、時代の要請に乗り遅れる事のないよう研究を続けて行きます。新築や増改築、リフォ-ムなどで利用することのできる各種補助金や税制優遇も目白押しとなってきています。

 先月号の『ひげ日記』でお伝えした『平成21年度環境省エコリフォ-ム補助金』の第1回申し込み締め切りが、4月24日と決定しました。その後も申し込みはできますが、今年度の予算は先着順で3億4千万円となっております。1件で最高40万円の補助金ですので全国で1,000棟分くらいの予算しかないということになります。補助金は早い者勝ちとなっていますので、リフォ-ムを考えている方は、お早めに弊社までお問い合わせ下さい。