2026年10月:【 酒税法の改正】
皆さんこんにちは、渡邉です。9月は雨の日が続き、少し気の滅入るような日々でしたが、10月に入り、朝晩はずいぶん過ごしやすくなってきました。
今年も残すところ3か月弱。月日の経つ早さを感じます。
さて、10月1日から酒税の税率が変わりました。今回の改正で特に注目されているのが、ビール・発泡酒・新ジャンルの酒税が一本化されたことです。
普段何気なく飲んでいるビールですが、実は税金をめぐって、国とビールメーカーの間で長い「いたちごっこ」が繰り広げられてきました。今月は、この酒税改正についてご紹介したいと思います。
◇ビールをめぐる「いたちごっこ」
日本では、ビールには高い酒税がかけられてきました。そこでメーカーは麦芽の使用量を調整することで、ビールより税率の低い「発泡酒」を開発しました。その代表的な商品が、1994年にサントリーから発売された「HOPS(ホップス)」です。麦芽比率を抑えることで発泡酒として発売され、ビールより安い価格が大きな話題となりました。
その後、国が税制を改正すると、メーカーはさらに麦芽比率を下げた商品を開発。さらに税率が引き上げられると、今度は麦芽をほとんど使わない「第3のビール(新ジャンル)」が登場しました。
税率が変われば新商品が生まれ、新商品が普及すればまた税制が変わる・・・まさに「いたちごっこ」ともいえる歴史です。
◇10月1日から、ビール類の税率が一本化
今回の改正で、ビール・発泡酒・新ジャンルの酒税は、350ml缶換算で一律54.25円になりました。これまで63.35円だったビールは約9.1円の減税。
一方、発泡酒と新ジャンルは46.99円から54.25円となり、約7.3円の増税です。
つまり、これまで「少しでも安いものを」と発泡酒や新ジャンルを選んでいた方にとっては、価格差がこれまでより小さくなり、逆にビールを選びやすくなったということです。また、缶チューハイやサワーなどは、350ml換算で28円から35円へと7円引き上げられました。ただし、酒税が変わったからといって、店頭価格がそのまま同じ金額だけ変わるわけではありません。メーカーや販売店によって価格設定は異なりますので、実際の価格は商品によって違ってきます。
◇「第3のビール」がビールに?
今回の改正に合わせて、各ビールメーカーも大きく動いています。
例えばサントリーは、これまで新ジャンルだった「金麦」と「金麦〈糖質75%オフ〉」をビールに変更。10月6日から発売し、さらに10月13日には新商品「金麦〈豊潤〉」を発売します。つまり、これまで「第3のビール」と呼ばれていた商品が、麦芽の使用量などを見直して「ビール」として生まれ変わるわけです。ほかのメーカーでも、主力商品のリニューアルやビールカテゴリーの強化が進んでいます。ビールの酒税が安くなり、これまで発泡酒や新ジャンルを選んでいた人が「それならビールを飲んでみよう」と考えることも予想されます。各社にとっては、まさに大きな商機というわけです。
◇さいごに
こうして調べてみると、普段何気なく飲んでいるビールにも、税金や法律、メーカーの工夫など、いろいろな歴史があることが分かります。そして今回の改正では、税金だけでなく商品の中身そのものも変わるものがあります。私自身、何を買ったらよいのか、ますます分からなくなってきました(笑)。しばらくは、いろいろなビール類を一本ずつ買って、値段を比べるだけでなく、実際に飲み比べて味の違いも楽しんでみたいと思います。
普段は家づくりの話が中心の「ひげ日記」ですが、今月は少し趣向を変えて、お酒の話をさせていただきました。
秋の夜長、皆さんも飲み過ぎには気をつけながら、おいしい一杯を楽しんでください。
今月も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた来月、お会いしましょう。
㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉 泰敏