2021年9月:【カーボンニュートラル宣言】

皆さまこんにちは渡邉です。

緊急事態宣言の中、富士市や富士宮市の感染者数もかなり多く、心配な日々が続いています。
弊社では来社頂く方は、マスクの着用、記名、検温、手指消毒をお願いしています。
打ち合わせ室も「ジアイーノ」(次亜塩素酸 空間除菌脱臭機)」やアクリル板の設置等をして、感染症対策に努めております。

心配な方は、ご自宅からパソコンだけでなく、スマホなどを使っての打ち合わせも可能です。
お気軽にお申し付け下さい。

さて、今月号の「ひげ日記」は本年8月23日に国土交通省・経済産業省・環境省が発表した、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた住宅・建築物の対策とりまとめ~「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」の公表~という、長いタイトルの資料などより、住宅に関する部分を皆様にお伝えさせて頂きたいと思います。 

まずはこれまでの経緯です。
2018年10月のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書で、将来の平均気温上昇が1.5℃を大きく超えないようにするためには、2050年前後には世界の二酸化炭素排出量が正味ゼロとなっている事が必要との見解を発表。

その後の議論を経て、2020年10月26日、菅総理が「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言。

さらに菅総理は、本年4月22日に「2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す。
さらに50%の高みに向けて、挑戦を続けていく」と宣言しました。

それらを受け、国交省・経産省・環境省では、本年4月より「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」を6回にわたり開催しました。そのとりまとめが3省より発表されたと言う事です。

■目指すべき住宅の姿(あり方)

2030年には、新築される住宅はZEH(ネット・ゼロエネルギー・ハウス)基準の水準の省エネルギー性能が確保され、新築戸建て住宅の6割に太陽光発電設備が導入。

2050年には、既存住宅の平均でZEH基準の水準の住宅性能が確保され、太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的。としています。

 ■省エネ基準の適合義務化

まずは2025年に新築される住宅の省エネ基準の適合義務化。遅くとも2030年までに省エネ基準をZEH水準に引上げ、適合を義務化。また太陽光発電設備については、将来における設置義務化も選択肢の1つとして、設置を促進する。

 ■さいごに

新築の場合は2025年に義務化する省エネ基準や2030年に目指すZEH基準など、私に言わせれば、かなり低い基準で残念ですが、まずは適合義務化をするというのは当然で、歓迎したいと思います。

弊社では既に全棟長期優良住宅を基本としています。
またZEH基準より更に高いレベルの断熱性能も標準仕様としています。

究極の省エネ住宅と言われるLCCM(ライフサイクル・カーボンマイナス)住宅の設計・施工の経験もあります。
高気密・高断熱、省エネ機器類の採用や太陽光発電設備をはじめとする創エネ設備など、弊社にとっては当たり前でお手のものです。

ただ2050年に既存住宅の平均でZEHというのは、以前に建築され現在も建っている全ての住宅も含めた平均値でZEH基準の断熱性能という事で、このハードルはかなり高いと思います。

新築住宅でZEHの断熱基準達成は容易ですが、住みながら工事を行う事を前提とした、既存住宅の断熱改修はかなりハードルが高いのです。

こうした省エネや創エネへの国の取組は大歓迎で、正しい方向だと考えます。
しかし、その前提として耐震性能や耐久性のほか、長期優良住宅の基準を最低基準とした家づくりを行うことが大切だと考えています。

弊社ではこれからも「地震に強く住む人と地球にやさしい家~快適で省エネなエコハウス~」を基本とした家づくりを続けて行きたいと思います。ご質問等がある方はお気軽に弊社までお問合せ下さい。

それではまた、来月お会いしましょう

株式会社建築工房わたなべ   代表取締役  渡邉 泰敏