2021年3月:【改正省エネ法施行】

みなさん、こんにちは渡邉です。3月に入り、すこしずつ暖かくなってきました。富士市ではコロナも少し落ち着いてきましたが、まだまだ安心はできません。

弊社では、来社頂くお客さまの安全を第一に、「ジアイーノ」という次亜塩素酸 空間除菌脱臭機を設置しました。毎朝の検温や手指消毒、マスクの着用や機械による強制換気も継続しています。是非安心してご来社頂きたいと思います。それでも心配な方には、どこからでも気軽に相談できるオンライン相談会も継続しています。

弊社ホームページよりお気軽にお申込み下さい。

さて、改正建築物省エネ法が本年4月1日から施行されます。今月号の「ひげ日記」ではこの法律の中から、新築住宅の場合で延床面積約90坪以下(法律上は延床面積300㎡未満と規定)を弊社のような工務店が設計する場合についてのお話をさせていただきます。

■改正省エネ法施行

本年4月から、省エネ基準に適合しているかいないかを建築主に説明しなくてはいけない「改正建築物省エネ法」が施行されます。しかし、適合させると余分に費用がかかるので省エネ基準へ適合させませんといい加減な説明をして、施主に「評価も説明もいらない」とサインしてもらえば、無断熱の家でも建築しても良いですよ。
という信じられない法律です。実は当初の予定は、全ての建物で2020年度に「次世代省エネ基準」への適合義務化としていました。しかし対応できる会社が少ないという理解しがたい理由で、適合義務から説明義務になったのです。

「次世代省エネ基準」という名前から、皆さんは高気密・高断熱の家?と思われるかもしれませんが、その基準が決まったのは1999年。そう、今から20年以上も前です。
私に言わせれば、次世代どころか旧世代の断熱基準です。

建て主になんのメリットも無い、冬寒く、夏暑く電気代などもめちゃくちゃ高くなる劣悪な質の悪い住宅を合法的に建築できるなんて理解不能です。

■タスクフォース

そんな中、2月24日に河野太郎行政改革担当相の「第5回再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」会議が開催されました。

その模様はYouTubeでライブ配信され、私も視聴しました。多くの素晴らしい発表がありましたが、特に感動したのは東大の前先生の発表でした。前先生のスライドからの引用ですが、『建築行政2つのチョイス 迷う必要がどこにある?』 『努力しない住宅供給業者にやさしい 低レベル・期限なしのぬるま湯 建築行政=国民と地球に冷たい無責任な建築行政』または『住宅供給者に厳しい 高レベル・期限厳守のスパルタ建築行政=国民と地球にやさしい責任を取る建築行政』。

そして『地域の優秀なつくり手を応援する政策への転換が、真の省エネと地域活性化への唯一の道!』と結んでいただきました。

河野大臣は前先生の発表等を受け、「国交省にこのまま住宅行政を任せていいのか疑問に思う。国交省にできないのであれば、省エネ規制は環境省に作らせて、それを実動させる業務を国交省にやってもらう。」というすごい発言を、YouTubeの生配信中にされました。

そして2日後、2月26日の衆議院予算委員会第八分科会でもこのタスクフォースのことが大きく取り上げられ、ついに3月4日の日経新聞電子版には、『新築住宅の省エネ義務化 国交省、25年度にも』と掲載されたのです。記事によると国交省は4月に検討委員会を設置し、夏ごろに方向性をとりまとめる考え。とのことです。

時代は動くと感動しました。しかし、油断しているとまた、なし崩し的になってしまいそうで心配ですが、河野大臣って凄い!ファンになってしまいました。
あとは菅総理次第なのだと思います。河野さんがスキャンダル等で辞任ってことにならない様に切に願っています。

今回のタスクフォースで発表された資料は内閣府のホームページからダウンロードできます。またタスクフォースの様子は内閣府の「規制改革チャンネル」で、視聴できます。超お勧めなので、是非ご視聴ください。

■さいごに

3月11日で、あの東日本大震災から10年です。阪神淡路大震災に衝撃を受け、いろいろな外敵(自然、人的災害等)から、人を!家族を!財産を!守る。そんな強い建物を造りたい。

という思いとその想いを忘れない為にその年に弊社事務所にゴリラを載せました。新潟中越沖地震、東日本大震災、熊本地震の各被災地も複数回訪れ、耐震性能の大切さをこの目で確かめてきました。

私は高耐震(許容応力度計算による耐震等級3)と高断熱・高気密(最低限ZEH基準以上)は贅沢では無く、住宅に必須な性能だと考えます。建築基準法などというレベルの低い法律では、皆さんの大切な家族や財産を守ってはくれません。
あとから更新すれば性能の良くなる綺麗で豪華な設備機器より、地味ではありますが耐震と断熱・気密に拘った家づくりを今後も続けていきたいと思います。
被災地の一日も早い復興をお祈しています。

それではまた来月、お会いしましょう。

㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏