2009年10月:【政権交代】

皆さんこんにちは、渡辺です。10月に入り日中は暖かいのですが、朝晩はめっきり涼しくなりました。皆さん季節の変わり目に、風邪などひかぬよう十分注意して下さい。

 ところで、政権与党が自民党から民主党に変わり、住宅政策が変わるのではないかと言われています。

 自民党政権の末期、福田元首相が目玉政策として打ち出したのが長期優良住宅法でした。長期優良住宅法が目指す「ストック型社会」(いいものをつくって、きちんと手入れして長く大切に使う)の方向性は、民主党の政策と重なるものです。ただ、自民党は長期優良住宅法を新築需要促進のツ-ルとしても使い、緊急経済対策のなかにも補助事業として長期優良住宅普及促進事業(100万円の補助事業)を盛り込みました。一方民主党が目指しているのは住宅ストック(既存住宅)の活用で生まれる経済効果で、この点では大きく異なります。この「普及促進事業」で100万円の補助を受けるためには、来年の2月10日までに住宅を完成させて実績報告書を提出しなくてはなりません。9月30日現在の補助金交付申請数(実際の申込数)は、1327戸で、目標としている5000戸にはほど遠い結果になってしまうと思います。それは、各種認定の手続き等が着工前に必要でその期間を考えると、すでにギリギリの時期となっているからです。2月10日迄に実績報告書提出が要件などといわずに、2月末着工またはある程度の戸数までは認める、といったように柔軟に変更してもらえれば緊急経済対策としてもっと効果がでると思っています。この「普及促進事業」はもともと単年度事業でしたので今年度だけの事ですが、問題は200万円の補助事業「長期優良住宅先導的モデル事業」です。弊社でも積極的に取り組んでいるこの事業は、昨年度より始まり5年間の継続事業となっています。今年度第2回公募が8月25日に終わり、11月上旬の採択発表予定を控えていますが、政権交代で発表時期が遅れることにならないかとても心配しています。マニュフェストに記載はありませんが、民主党の政策集INDEX2009にも長期優良住宅の普及促進をはじめ…と記載もありますので、中止とならないとは思いますが、5年間本当に続くのかとても心配です。政権交代後これに関する情報は見たことがありませんし、そもそもまだ検討もされていないといった情報すらあります。

 次に太陽光発電についてです。こちらについては民主党のマニュフェストに購入助成と全量買い取り方式の固定価格買い取り制度について記載があります。本年11月に開始する買い取り制度は、太陽光発電からの余剰電力を1kwhあたり住宅用の場合48円(購入価格のほぼ倍額)で買い取る制度となっているのに対し、民主党のマニュフェストでは、買い取り価格は不明ですが全量買い取りという内容になっています。もし仮に買い取り価格が同じ48円だとしたら、使った残りを48円で買い取ってもらう場合と、発電した全てを48円で買い取ってもらい、使用する電気はその半額の24円程度で購入する場合の違いはとても大きなものとなります。全量買い取り余剰電力買い取りかで電気配線の方法が大きく変わることも問題となり、はっきりするまで太陽光発電の設置を延期する人が続出するという悪い状態になっています。既に太陽光発電を設置している人のことも考えると、全量買い取りと余剰電力買い取りの選択制として、買い取り価格に差を付けるという考え方もあると思います。

 紙面の関係で今回はここまでですが、実は民主党の住宅政策の柱は、中古住宅流通の活性化、住宅リフォ-ムの推進です。これらについては次の機会にお伝えしたいと思います。
 いずれにしても、自民党時代の方が良かったと言われないように民主党には頑張っていただき、色々な政策について変えるのか変えないのか、またいつまでに方向性を示すのかだけでも情報発信してほしいと思っています。