2020年9月:【市販のマスクと手作りマスク】

 

 みなさんこんにちは渡邉です。
9月に入りましたが、まだまだ暑いですね。暑い日はエアコンをつけて無理をせずに過ごして頂きたいと思います。

今月号のひげ日記は「マスク」についてです。理化学研究所が今年世界ランキング1位となったスーパーコンピュータ「富岳」を使ってマスクのシミュレーションを行いその結果を発表しました。

 ■市販のマスクと手作りマスク

市販の不織布マスクと、手作り布マスク(ポリエステル相当:シーツ素材)、手作り布マスク(綿相当:古着のTシャツ素材)という3種類について同一サイズのマスクでシミュレーションを行いました。結果としては「飛沫のサイズが小さくなるほど、マスクで抑えられる比率は下がる。

特に、不織布マスクは、空気抵抗が大きいため、横から漏れる飛沫が多くなり、小さいサイズの飛沫だけを見れば、布マスクより性能が落ちる」との新たな結果も示しました。

ただ「全体的には、不織布マスクがもっとも抑制効果が高いが、それを着用して息苦しい場合には、少し性能が落ちても、空気が通りやすい布マスクを着用するのがいい。

着用することが大事であり、苦しいからマスクを外してしまうというのが、一番リスクが高い」とも指摘しました。

自らを守る被感染防御効果についても評価しました。医療用マスクを、顔に隙間なく着用した場合には、吸引する飛沫、エアロゾルはほぼブロックすることができることがわかりました。

またマスクと顔に隙間がある場合でも、マスクを着用することで上気道に入る飛沫数を3分の1に少なくすることができ、とくに大きな飛沫については侵入ブロック効果が高い。

しかし、20ミクロン以下の小さな飛沫に対する効果は限定的であり、隙間からの侵入を阻止することはできない。ちなみに、マスク無しの場合には、大きな飛沫のほとんどが、鼻腔や口腔に付着。さらに20ミクロンより小さな飛沫は気管奥にまで到達する。

 ■フェイスシールドの効果

「フェイスシールドは、自分を守るものであり、飛沫飛散を防止することが本来の目的ではない」と前置きしながらも、「50ミクロン以上の大きな飛沫についての捕集効果は見込めるが、それ以下のサイズの飛沫については、シールドには付かずにすべて横から漏れていってしまう。効果は限定的である」と指摘しました。

 ■まとめ

理研のチームリーダーでもある、神戸大学の坪倉教授は、「マスクを着用していれば、咳をしても飛沫を抑え、気流を抑える効果があり、遠くに飛沫が飛ばない。

頬と鼻の部分にマスクの隙間があっても、体積比では8割の飛沫を抑えられる。また自分を守る被感染防御効果では、体積比で7割程度を抑えられる。数値結果からは、不織布マスクだけでなく、手作りマスクでも十分役割を果たす」としました。

 今回の「ひげ日記」は「理研、スパコン富岳で不織布や手作りマスクの飛沫の差を解析」(PC Watchサイト内)の記事を元に書かせていただきました。

記事にはオフィスのパーテイションや学校の教室についての記載もありますので興味のある方はそちらもご覧ください。

 ■さいごに

コロナウイルスとはまだまだ長い付き合いになりそうです。

どこへ行ってもソーシャルディスタンスと手指消毒、マスク着用が定着して当たり前になりました。フェイスシ-ルドの効果は限定的との事なので、マスクをきちんと着用する事が大切なようです。

夏が過ぎ、汗かきの私にはとても苦痛だったマスク着用も少しは楽になりそうです。それでは、また来月お会いしましょう。

㈱建築工房わたなべ  代表取締役 渡邉泰敏