2025年07月:【2段階価格FITスタ-ト】
皆さまこんにちは、渡邉です。毎日暑いですね。汗かきの私は現場で働いている職人さんより現場に居るだけの私の方が沢山の汗をかいていたりします(笑)。
気が付けばもう7月、今年も残り半分となってしまいました。さて今月号の「ひげ日記」は本年10月より2段階価格のFITが始まりますので、月刊スマートハウス及び東京電力等の記事を元に住宅の屋根等に設置した10kw未満の太陽光発電(太陽光単独)の場合について、お話をさせて頂きたいと思います。
◇ FIT制度とは? ◇
FITとは経済産業省が2012年7月に開始した制度です。FITという名称は「Feed-in Tariff(フィード・イン・タリフ」の頭文字を取っており、日本語に訳すと「固定価格買取制度」を意味します。この制度は、住宅の屋根上などの太陽光発電で作られた電気をまずは自家消費し、使いきれずに余った電気は電力会社が“一定価格”で10年間買い取ることを国が約束する制度です。
では、この買取り費用はどこから捻出されるのでしょうか?実は、その費用の一部は、電気を使うすべての方から”賦課金“という形で徴収されています。この賦課金は、毎月の電気料金に含まれており1kWhあたりの単価は毎年決められ全国一律となっています。
ちなみに2025年5月から2026年4月分までの単価は3.98円/kWhです。
◇ 買取り価格の推移 ◇
これまで再生可能エネルギーの普及に伴って、FIT適用時の買取り価格は年々下がる傾向にありました。これは太陽光発電の設置費用が年々下がっていることと連動しており、比較的設置しやすい価格になっていることを意味しています。
2012年の制度開始時に42円(1kWhあたりの税込買取り価格。以下同様)、翌2013年度は38円、2014年度は37円、と以降も年々下がり、2024年度は16円、そして2025年度(4~9月)は15円となっています。
東京電力エナジーパートナーの場合ですが、FIT適用外での買取り価格は1kWhあたり8.5円ですから、FITの場合はその約1.8倍の価格で買い取ってもらえるということです。
◇ 2025年10月以降について ◇
2025年度10月より、10kW未満の太陽光発電におけるFIT単価が変更されます。今回皆様にお伝えしたいのはこの変更内容についてです。資源エネルギー庁の発表によりますと、2025年度下半期と2026年度にFIT認定を取得した場合、導入から最初の4年間は1kWhあたり24円、5~10年目は1kWhあたり8.3円で買い取ってもらえることになっています。
2025年上半期の買取り価格が1kWhあたり15円ですから、当初4年は大幅に増額されていることが分かります。これは、太陽光発電設備の設置者が早期に初期費用を回収できるようにすることが目的だからです。
初期投資期間4年において支援価格は24円/kWhとされていますがこの算定方法について、調達価格等算定委員会の東京大学の松村敏弘教授によると、「家庭用電気料金水準が27.31円/kWhであり、この価格よりは高くならず、極端に強い節電インセンティブを出さないための上限ギリギリの数値を設定している」とし、5年目以降の買取り価格8.3円については「10年間一定の価格で買い取るのと同じ収益水準にする必要があり、初期を高くした分、5年目以降でバランスを取るためこの価格となった」と語りました。
◇ さいごに ◇
FIT期間が終了した「卒FIT」の対策として最も代表的なのが、これまで売電していた余剰電力を、なるべく自家消費することです。以下にその主なものを記載します。たとえばガソリン車を電気自動車やプラグインハイブリッド車にする。また、ガス給湯器ならおひさまエコキュートにする。まだまだコストは高いですが、蓄電池を設置するなどです。
いずれにせよ、太陽光発電を設置している方は、いつ卒FITになるのか?確認してその対策を検討しておくことをお勧めします。
紙面の関係で書けなかった事も沢山あります。気になる事があれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。
それではまた来月、お会いしましょう。
㈱建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉泰敏