2026年09月:【 災害のあとにも“安心して眠れる家”を】
皆さまこんにちは、渡邉です。
9月に入り、かなり過ごしやすくなりましたが、日中はまだまだ暑いです。汗かきの私は本格的な秋の到来が待ち遠しいです。
さて、先日とても興味深い記事を読みましたので、皆さんにもご紹介したいと思います。
大きな災害が起きて自宅に住めなくなったとき、多くの人は「避難所に行けばいい」と考えるかもしれません。しかし、実際には誰もが避難所で快適に過ごせるわけではありません。
熊本地震の被災地では、避難所をわずか3日で出て、その後ずっと車中泊を続けた高齢のご夫婦がいました。また、別のご家族は、危険と判定された自宅を離れることができず、庭先に蚊帳を張って寝ていたそうです。
そんな被災者のもとに届けられたのが、名古屋工業大学の北川啓介教授が開発した「インスタントハウス」です。
一見すると、大きなテントや遊園地のエアートランポリンのような建物ですが、空気を送り込んで膨らませた後、内部に断熱材を吹き付けることで、早ければわずか1時間ほどで完成します。
大きさは約12畳。エアコンを設置すれば、真夏の外気が厳しい被災地でも「え、涼しい!」と驚くほど快適な空間になるそうです。
記事の中で特に私の心に残ったのが、ある高齢ご夫婦のお話でした。
地震で自宅は倒壊を免れたものの、「また大きな地震が来たら怖い」と車中泊を続けていました。避難所にも行きましたが、足の悪いご主人にとって、混雑した避難所の2階から逃げることを考えると不安だったそうです。
ところが、自宅の敷地にインスタントハウスが建つと、ご主人は嬉しそうに「ベッドが入るか採寸しなきゃ」と話したそうです。そして奥様は「孫が来たら喜ぶわ」と笑顔を見せました。
「住める場所」ができたことで、ただの避難生活が、少しずつ「暮らし」に変わったのだと思います。
この記事を読んで、改めて感じたのは、家というものは単に雨風を防ぐ箱ではないということです。地震が起きたときに倒れないこと。暑さや寒さから家族を守ること。そして、災害が起きた後も、できるだけ普段の生活を取り戻せること。
これらは、私たちが考える「レジリエンス住宅」にも通じる大切な考え方です。
もちろん、インスタントハウスが一般の住宅の代わりになるわけではありません。でも、災害時に「安心して眠れる場所」があることの大切さを、この話は教えてくれます。
だからこそ、災害が起きてから考えるのではなく、平時から備えておくことが大切です。
耐震等級3の確かな構造、夏も冬も快適に過ごせる高気密・高断熱、そして停電や災害時のことまで考えた住まい。「家族の命を守る」だけでなく、「家族の暮らしを守る」。そんな家づくりを、これからも私たちは大切にしていきたいと思います。災害は、いつ起こるかわかりません。
だからこそ、何もない今日のうちに、わが家の「もしも」を一度考えてみませんか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
それではまた来月、お会いしましょう。
株式会社建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉 泰敏