2025年09月:【エコキュ-トのレジリエンス機能について】
皆さまこんにちは、渡邉です。9月になってもまだまだ暑いですね。早く涼しい秋になって欲しいと切に願っています。
今月号の「ひげ日記」は住まいとでんきvol.37(日本工業出版発行)等の記事を元にエコキュートのレジリエンス機能についてです。
「レジリエンス」とは「回復力」や「復元力」、「立ち直る力」などを意味する言葉で心理学的な意味では困難な状況におちいっても、それを乗り越えて元の状態に戻ろうとする力のことを指します。
そこから自然災害に対する「防災力」や災害発生後の「対応力」といった意味でも使われています。
エコキュートは省エネ性能や快適さといった点を重視してきましたが、近年災害の頻度が増していることから災害時においても、ある程度の生活を維持できる機能が搭載されるようになりました。
この機能は災害発生時に起こる停電や断水といった状況下においても、お湯や生活水を使えるようにする機能
生活を支えるための機能のことを指します。
飲料水や調理などに使う水の量は1日につき1人あたり3Lほど、手洗いやトイレなどの生活用水は1日につき1人あたり10~20Lほど必要と言われています。
このような量の水を毎日確保するのは大変ですが、この水が自宅のエコキュートで確保できるとしたら水を確保するというストレスの1つを軽減することができます。
◇レジリエンス機能
1)断水しても生活用水が使える
エコキュートは貯湯タンクにお湯を貯めておくことができ断水が発生した場合はシャワーや蛇口からお湯が出ませんが、エコキュート本体の「非常取水栓」からお湯を取り出せます。
貯湯タンクの容量が370Lの場合20Lのポリタンクで約17本分の生活用水(4人家族で約3日分)が使用できます。
2)停電してもお湯が使える
貯湯タンクにお湯が残っている場合、シャワーや蛇口からお湯が使えます。温度調節ができないため、高温のお湯や水がでる場合がありますので、必ず湯温を確かめてから使うことに注意が必要です。
3)災害に備えお湯を貯めておく
あらかじめ選択した警報・注意報が発令されると、自動的に沸き上げを行い、貯湯タンク内の湯量を確保する機能です。気象警報に連動し貯湯タンク内にお湯を満タンに貯めておくことができ、停電時でも貯めておいたお湯を利用できます。
◇レジリエンス機能を活用するための事前準備
レジリエンス機能を活用するためには取水栓の位置の確認や機能設定などの事前調査が必要になります。
1)エコキュート本体に設けられている取水栓の位置を事前に確認しておく。
(いざという時に慌てずにすみます)
2)災害に備えお湯を貯める機能は気象警報に連動するため、スマートフォンアプリなどで事前に設定しておく必要があります。
3)エコキュートの取扱い説明書を取り出しやすい場所に保管しておく。
(いざという時に慌てずに操作確認ができるようにしておきましょう)
◇災害発生時における機器の使い方
災害の発生後は貯湯タンクが傾いていないか、亀裂が入ったり変形したりしていないか、漏水がないか、電源が切れていないかなど機器に異常がないか点検が必要です。
※異常がないことを確認してから利用してください。
◇さいごに
給湯は住宅において単独でエネルギーを最も消費する設備で、家庭全体のエネルギー消費量の約3割を占めています。
ヒートポンプを使って高効率にお湯を沸かすことができ、価格もこなれた「エコキュート」はオール電化住宅の定番の給湯設備となっています。
太陽光発電システムを設置されている方には太陽光発電の余剰電力でお湯を沸かす「おひさまエコキュート」をお勧めしています。給湯設備はほとんどの場合省エネやコスパ、使いやすさなどの観点で商品をお勧めしていました。
今回のレジリエンス機能についてもエコキュートがお勧めなのですが、どの機能が欲しいかなどを良く考えコストを見ながらエコキュートの機種を選ぶ必要があると思うようになりました。
各社のエコキュートのカタログを比較してみました。
確認したカタログでは全て震度7に耐える耐震クラスS設計となっていました。
またエコキュートを便利に使うためには、各社のスマホアプリのインストールが必要だと感じました。
今回ご案内した機能はすべてのエコキュートに備わっている訳ではありません。
エコキュートの機種によって搭載されている機能や性能が異なります。
エコキュートをお使いの方はこの機会に詳しい情報をエコキュ-トメ-カ-のウェブサイト等でご確認ください。
それではまた来月、お会いしましょう。
株式会社建築工房わたなべ 代表取締役 渡邉 泰敏