2022年10月:【『エアコンの省エネラベル表示変更』】

皆さんこんにちは、渡邉です。日に日に涼しくなってきましたが天気の良い日中はまだまだ汗ばむ日も多く、汗かきの私はもうしばらく半袖そしてタオルも手放せません。

さて、令和45月にエアコンの新たな省エネ基準が策定されました。そして家庭用エアコン(壁掛け型)の小売事業者表示制度の具体的な表示事項を定める告示の一部が改正されました。今後、エアコンの省エネラベルが新しくなり、より詳細な省エネ性能の比較ができるようになります。

今月号のひげ日記では令和491日に経済産業省より発表された資料を元に、皆様に新しい省エネラベルについてご紹介させていただきます。

 ■小売事業者表示制度の改正概要

1)エアコンの統一省エネラベルのデザインの改正及びミニラベルの新設

エアコンの統一省エネラベルについて、重複する内容を減らし、分かりやすく、シンプルにするとともに、多くの人が認識しやすいような配色のデザインに改正しました。また、エアコンの新基準(目標年度2027年度)において、仕様(一般地/寒冷地)による区分分けを設置したことに伴い、寒冷地仕様のラベルを新たに新設することとしました。

 また、製品のサイズやネット取引等の限られたスペースでも、省エネ情報の提供機会を確保できるようにするためにミニラベルを新設しました。

2)エアコンの多段階評価制度の評価方法の改正

現在の「★による5段階評価」から「1.0から5.0までの0.1きざみの評価」に改正しました。また、現在は省エネ基準達成率に基づき★の数が決められていますが、改正後はエネルギー消費効率(エアコンの場合はAPF)に基づき算出した評価点に応じて1つ★から5つ★までの半星を含めた★の数が決められます。

APF:通年エネルギー消費効率。年間を通してある一定条件をもとにエアコンを使用したとき、1年間に必要な冷暖房能力を1年間でエアコンが消費する電力量(期間消費電力量)で除した数値、APFが大きいほど、省エネ性能が優れています。

 

■交付・施行
 交付は令和491日、施行は令和4101日。なお、エアコンのラベル表示は、令和5930日までは従前のラベルによることができます。

 ■まとめ

今回の改正での評価点はAPFに基づいていますので、冷房能力や仕様の違いに関係なく、省エネ性能を比較できます。また、「寸法規定(室内機の横幅寸法800mm以下かつ高さ295mm以下)」と「寸法フリ-」による省エネ基準の区分がなくなりました。
これまでは寸法規定を満たした製品が多い傾向でしたが、今後は様々な寸法の製品がでてくるかもしれません。

また年間の目安電気料金は、東京の外気温をモデルとしています。期間消費電力量(kwh)に、電気代単価(27円/kwh)を掛けて算出されています。実際には、使用する地域、設定温度、使用時間、住宅性能や電力会社等により変わります。

ラベルに表示されている年間の目安電気料金に外気温等を考慮した地域係数を掛けると、地域ごとの年間の目安電気料金を算出することができます。静岡の通年の地域補正係数は0.9です。旧ラベルも、表示切替の猶予期間として令和5年9月30日までは使用可能です。

同一モデルであっても新旧ラベルで★の数や評価点が大きく変わる可能性がありますので、旧ラベルの継続表示の場合には注意が必要です。それでは皆さま、また来月お会いしましょう。

㈱建築工房わたなべ   代表取締役  渡邉 泰敏