2022年12月:【『今年一年を振り返って』】

皆さん、こんにちは渡邉です。今年も残すところ、あとわずかとなりました。
年を重ねると一年はあっという間に過ぎて行きます。
日中は暖かくても朝晩は寒い日が続いていますので皆さんも体調など崩さないよう注意してください。

さて2022年最後の「ひげ日記」は、今年一年を振り返って、住宅関連の情報を皆さんにお伝えさせて頂きます。

 ■3つのショック

今年は住宅の建築価格がかなり高騰しました。理由は3つでした。
 1つ目は昨年より続いたウッドショック。輸入木材不足に端を発し国産材にまで価格高騰が発生しました。
 2つ目はアイアンショック。鉄の価格が高騰し建築資材や住宅設備機器にも影響が出ました。
 3つ目はオイルショック。ロシアのウクライナ侵攻により、ロシアからの原油の輸入停止や供給減少を心配した各国が原油購入に走ったため、価格が高騰しました。

原油は樹脂や塩ビなどさまざまな化学製品に使用されるので、建築費用にも影響を与えました。断熱材をはじめ各種建材や、住宅設備機器メーカーも軒並み値上げを発表しました。値上げが続いているのなら、値下がりするまで住宅建築を待とうと思うかもしれませんが、建築費用が値下げされる可能性は極めて低いと考えられています。

建築資材費・住宅設備費・人件費は全て上昇傾向にあるため、これからも上がっていくと予想されています。

全期間固定金利「フラット35」の金利が2022年に入ってから5ヶ月連続で上昇したことを受けて「このまま金利が上昇していくのでは?」と心配されている方も多いでしょう。

結論から言うと、当面の間は住宅ローン金利の大きな上昇は無いと予想されています。日銀は4月の金融政策決定会合で、金利の上昇を抑える方針を決めたからです。固定金利には円安やインフレが影響するため多少は金利上昇していますが、大幅に上がる事は考えにくいです。

したがって、円安・インフレだからと言って、住宅ローンの借り入れの心配は不要です。

 ■断熱性能上位等級施行

国土交通省では本年4月に住宅性能表示制度において断熱等級5UA値(富士市の場合)0.6),さらに本年10月には、等級6(同0.46)、等級7(同0.26)を施行しました。
また、新築住宅では2025年に省エネ基準(等級4=0.87)への適合義務化が予定され、その先には遅くとも2030年までに省エネ基準を「ZEH基準」(等級5=0.6)に引き上げて適合義務化し、新築戸建て6割には太陽光発電を設置するという政府のロードマップがあります。

 また、「低炭素認定基準」「長期優良住宅認定基準」を一斉にUA0.87以下から0.6以下の等級5(ZEH基準)に底上げも行いました。

 ※( )内の数字“UA値”をざっくり説明すると、『建物の熱の逃げやすさを表す数値』です。数値が小さい方が、断熱性能が高いことを示します。

 ■さいごに

 断熱基準の改定は平成11年(1999年)が最後でしたので本当に久しぶりです。
まだまだ甘い数値ではありますが、少しはましになったと感じています。

家の省エネ性能や快適性は断熱性能(UA値)だけで決まるものではありませんが、断熱性能を無視しては快適な住宅にはなりません。断熱性能や気密性能、高効率機器の採用など各種性能と費用を地域にあわせバランスを考えながら検討することが大切です。

そうした検討の結果、必要な性能を確保しながら初期費用とランニングコストにも配慮した住宅ができるのです。

弊社がお勧めするのは『地震に強く住む人と地球にやさしい家~快適で省エネなエコハウス~』です。本年も一年間本当にお世話になりました。

来年も建築工房わたなべを、どうぞ宜しくお願い致します。それでは皆様、良いお年を!

株式会社建築工房わたなべ  代表取締役 渡邉 泰敏