■震度7でも住める家にするために

 弊社設計の住宅は長期優良住宅の認定基準である耐震等級2(許容応力度計算の場合)では無く、最高等級の耐震等級3を全棟標準としています。それは、壁の枚数をカウントするような簡易な方法等では無く、基礎部分も含め詳細な構造計算(許容応力度計算)を行って、1棟1棟の建物の安全性を確認しています。コストを掛けて、なぜそんな事をするのか?
 それは、住まいは、「いのちの箱」だと考えているからです。住まいは、大切なお客様の家族や財産そして未来をも守るシェルターなのです。そういう考えのもと、弊社は耐震性能にすごく拘っています。長期優良住宅の認定基準は耐震等級2で良いことも、耐震等級3を取るためには詳細な構造計算をしなくても良いことも承知しています。でも私は知っています。簡易な計算を行って耐震等級3を取得した建物で詳細な構造計算(許容応力度計算)を行うと、耐力が足りない場合があることを。合法ではあるけど、私には気持ち悪く、自信をもってお客様におすすめできないのです。

 弊社では「地震に強く住む人と地球にやさしい家」を目指す、と皆様にずっと言い続けています。新潟中越地震や東日本大震災、熊本地震の被災地を訪れ、決して耐震等級3は過剰な性能などではなく、必要な性能なのだと改めて認識し、さらに検討し改良を加えてきました。

被災地訪問の様子は下記リンク先をご覧ください。
  ・新潟中越地震 2007.8.2~3訪問 いのちの箱 2007.8月号より 
  ・東日本大震災 2011.7.4~5  『応急仮設住宅』  2011.9月号より
            2016.11.15~16訪問 福島県冨岡町、楢葉町、浪江町、二葉町ほか
  ・熊本地震    2016.7.8~9訪問  熊本地震の被災地を訪れて 2016.9月号より

震度階は震度7が上限で震度8が存在しないので、あらゆる震度7に耐えるという建物は存在しません。しかし、震度7の下の方であれば、2回来ても大丈夫という性能は確保するべきだと考えています。

『耐震等級3のススメ』~熊本地震を教訓に~
京都大学 生存圏研究所 五十田博 教授 監修
(一社)くまもと型住宅生産者連合会 発行
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 ●「耐震等級3にさらに加える4つの独自基準」はこちら